環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉がカナダとニュージーランド抜きで大筋合意する可能性が出てきた。2国間で進めている関税協議でカナダは他の交渉参加国よりも出遅れが目立ち、ニュージーランドも自国の主張に固執。交渉全体の合意に向け大きな障害となってきており、甘利明TPP担当相は14日の記者会見で、両国を念頭に一部の参加国を除外してでも交渉の早期妥結を優先する考えを示した。
「どうしても準備が間に合わない国は、(妥結の)後から参加してもらうという選択肢もある」
甘利氏はこう指摘したうえで「合意する意思のない国が仮にあるとしたら、そのためにTPPを漂流させるわけにはいかない」と強調した。
甘利氏は具体的な国名に関して「挙げるのは適切ではない」としたが、参加国の間では「カナダとニュージーランドを外した合意を容認する意見も出ている」(交渉関係者)。