関税協議で、米国はカナダに乳製品や鶏肉などの市場開放を求めているが、今秋に総選挙を控えるカナダは国内の反発を招く譲歩には極めて慎重姿勢だ。日本には品目ごとの関税撤廃・削減に関して「包括的なオファー(提案)すら出していない」(同)状況という。
一方、日米やカナダに対しては、乳業大国のニュージーランドが乳製品について高水準の市場開放を迫っている。日米とニュージーランドは知的財産の保護ルールをめぐっても対立。新薬のデータ保護期間に関して、日本が8年以上、米国が12年とするよう要求しているのに対しニュージーランドは5年以下を主張している。同国は乳製品で自国の要求が通らなければ、知的財産でも譲らない構えを見せている。
交渉参加12カ国は米ハワイで24日から首席交渉官会合、続く28日から閣僚会合を開催する。ここで12カ国全体の合意に達するにはカナダ、ニュージーランドの歩み寄りが欠かせない。交渉を主導する日米は、両国の「除外」も辞さない姿勢を示すことで譲歩を促す展開となりそうだ。