江蘇省南京市で行われた服装博覧会に並ぶ衣料品。中国では経済発展とともに衣料品の需要は増えているが、不要になった後の再利用はまだシステムが整っていない状態だ(中国新聞社)【拡大】
◆課題は回収システム
最大の課題は回収システムの構築だ。関連する政策や基準がなく、規範的な回収ネットワークが形成されていない。早くからリサイクルに着手した上海や北京などでは、モデル地区を設置する形で地域に合わせた回収方式の形成を試みている。
管董事長は「規模が大きな(実用的な)回収システムを作るには、先進的な設備を入れ、資源の利用効率を高める必要がある」と指摘。インターネットや(スマートフォンの)アプリケーション(応用ソフト)の活用を提案している。
14年から同分野に進出した浙江華鼎集団は、業界全体に向けた紡績品廃棄物の回収・総合利用実験基地を構築し、業界向けサービスの技術プラットホームとすることを目指している。丁雄爾執行董事によると、同社では分別作業の効率化に向けて、先進的な外国製設備の導入を進めているという。
現在、中国の紡績品廃棄物の再利用率は10%以下で、米国やドイツの水準にはまだ程遠い。リサイクル企業の産業チェーンが短く、製品はまだ成熟の段階に入っていないほか、コスト高や市場の認知度の低さから、幅広く受け入れられるような製品が作れていない。また再生品に対する消費者の許容度が低いなど、課題も山積している。(経済日報=中国新聞社)