三菱東京UFJ銀行の為替ディーリングルーム。人民元の取り扱いが増えている=東京・丸の内【拡大】
中国人民銀行(中央銀行)は6月11日、初の「人民元国際化報告」を発表し、この中で国内外での人民元建て債券発行に関する規制緩和など、今後の金融制度改革の取り組みを列挙。改めてSDRへの人民元の採用をアピールしたが、報告に並んだ改革メニューは、数多くの規制が残る実態を浮き彫りにした。
さらに、公安当局による「空売り取り締まり宣言」の威圧まで飛び出した7月の上海株急落は、政府の許容範囲内を超える値動きを封じるためには手段を選ばない「介入ショック」として国際金融市場に刻まれた。
ドイツ証券副会長などを務めた投資ストラテジスト、武者陵司氏(武者リサーチ代表)は「中国は実体経済低迷のツケをマニピュレーション(相場操縦)で補おうとしている。自由化が求められる人民元の国際化は夢のまた夢。SDR入りも遠のいた」と分析する。(この企画は上海・河崎真澄、藤原章裕、佐久間修志が担当しました)