中国証券監督管理委員会の前に集まった個人投資家ら(奥)=13日、北京(共同)【拡大】
暴落に歯止めがかったように見える中国株だが、安心するのはまだ早い。中国政府が相場の下支えを狙って相次ぎ打ち出したPKO(プライス・キーピング・オペレーション、価格維持操作)の効き目が薄れてきたのだ。中国の主要な経済指標に大きな改善がやはり見られず、実体経済の弱まりは隠し切れない。中国からの訪日観光客の急増に沸いている日本も、右肩上がりの爆買い神話を夢見ぬほうが懸命かもしれない。
実体とかけ離れたバブル相場
中国政府の介入による官製市場の実情が明らかになってきた。
ロイター通信は7月下旬、株価暴落の対策で中国で官民あわせて市場に投入された資金が、なんと5兆元(約100兆円)にのぼると報じた。これは日本の年度予算に匹敵する規模だ。
上海総合指数は、6月上旬に終値が2008年1月以来の5000台を記録したが、実体とかけ離れた「バブル相場」にあるとの懸念が高まり、株式市場から資金が一気に逃避。中国政府は株価の下支えのため、異例のPKOを7月初旬から本格化させた。その手法は、大きく分けて3つある。(1)巨額資金の投入(2)取引制限の強化(3)情報統制だ。