中国・天津爆発で李克強首相が現場入り 市民からは「遅すぎる」との声も

2015.8.17 13:25

16日、爆発現場をマスクをつけて歩く消防士(ロイター)

16日、爆発現場をマスクをつけて歩く消防士(ロイター)【拡大】

 【天津=矢板明夫】中国天津市で12日深夜に起きた大規模の爆発で、国営新華社通信は17日、死者114人、行方不明70人に達したと伝えた。行方不明者の大半が消防関係者とみられる。中国人民解放軍の化学戦専門部隊や武装警察部隊など約2000人態勢による現場での捜索活動は17日早朝も続けられているが、小規模な発火が続いており活動は難航している。

 犠牲者はさらに増える可能性があり、当局は周辺3キロを立ち入り禁止にした。遺体の身元確認に手間取るケースが増えており、収容された死者数と行方不明者の数には重複がある。

 中国軍の史魯沢・北京軍区参謀長は、16日の記者会見で、爆発が起きた倉庫には、毒性の強いシアン化ナトリウム数百トンが保管されていて、現在は周辺に拡散している恐れがあることを明らかにした。対策本部は中和剤の散布を進める。

 16日付の中国紙、新京報は、初期段階で現場に出動した消防隊が化学物質の保管を把握しないまま放水したと報道。水と保管物質の化学反応から大爆発が起きた可能性が高まった。

 また、李克強首相は16日午後、陣頭指揮を執るため爆発現場に到着し、消防隊員らを激励したほか、病院で負傷した市民らを見舞った。爆発発生から4日目にして、共産党の最高指導部メンバーが初めて現地入りした形であり、市民からは「遅すぎた」との不満が聞かれた。

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