日本・メコン地域諸国首脳会議に先立ち、集合写真に納まる(左から)カンボジアのフン・セン首相、ラオスのトンシン首相、安倍晋三(しんぞう)首相、ミャンマーのテイン・セイン大統領、タイのプラユット暫定首相、ベトナムのグエン・タン・ズン首相=2015年7月4日、東京都港区の迎賓館(代表撮影)【拡大】
安倍晋三首相は4日、「日本・メコン地域諸国首脳会議」を都内の迎賓館で開き、今後3年間でメコン地域への7500億円規模の経済支援を表明した。会議では、共同文書「新東京戦略2015」を採択した。南シナ海で岩礁を埋め立て、滑走路建設を進める中国を念頭に国際法に基づく航行の自由や紛争の平和的解決の必要性を確認。偶発的な軍事衝突を回避するため行動規範(COC)の早期妥結を重視することでも一致した。
会議には安倍首相のほかタイ、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジアの5カ国首脳が参加した。
首相は会議後の共同発表で「戦後70年間の日本の平和国家としての歩みと積極的平和主義の取り組みに対し、力強い理解と支持をいただいた」と強調した。
共同文書では、南シナ海での中国の岩礁埋め立てに対し「地域の平和、安全および安定を損ないうる」と強調。メコン地域については「質の高いインフラ整備」を進めるため、技術移転や人材育成の重視を明記。日本が総裁を輩出するアジア開発銀行(ADB)との連携強化で、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗して日本の存在感を示した。日本が高い技術を持つ環境や防災分野などでの協力に加え、日米連携によるメコン支援も盛り込んだ。