安倍晋三首相(60)は5日、来年日本で8年ぶりに開かれる主要国首脳会議(サミット)を三重県の「伊勢志摩」で開催すると発表した。テロ対策を重視する方針を踏まえ、警備面で地理的に他の候補地より有利だったのに加え、日本の美しい自然や伝統文化を世界各国のリーダーに実感してもらう場所として最適だと判断した。
首相は5日夕、ウクライナとドイツを訪問するため羽田空港を出発する前に記者団に対し、「日本の美しい自然、豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる場所にしたいと考えた」と説明。サミットの正式名称を「伊勢志摩サミット」にすると述べた。
開催地をめぐっては、首脳会議の主な会場として、三重県志摩市のほか、仙台市、新潟市、長野県軽井沢町、浜松市、名古屋市、神戸市、広島市の計8カ所が立候補を表明。開催地に決まれば、建設や宿泊で数百億円規模の経済効果が見込める上、国際的な知名度向上にもつながるため、各自治体は激しい誘致活動を展開してきた。政府は宿泊施設や交通事情、開催地のメッセージ性などを総合的に検討してきた。