≪「日本の心」象徴する神宮 世界にメッセージ≫
安倍首相が来年のサミット開催地を三重県の「伊勢志摩」に決めたのは、警備や交通アクセスといった実務面に加えて「メッセージ性」を重視したためだ。各国首脳に、伊勢神宮に代表される「日本の心」に触れてもらい、「クールジャパン」として注目される伝統文化を世界に発信する。ギリギリまで熟慮を重ねた首相は、そうした狙いを込めて開催地を決断した。
「どの候補地も甲乙つけ難く、正直に言って選定は大変迷った」
首相は「伊勢志摩サミット」発表に当たり、そう前置きし、最後まで悩み抜いたことを明かした。
候補地の中では、伊勢志摩と並んで「復興」の仙台、「非核」の広島と、いずれもメッセージ性の強い場所が最終段階まで首相の念頭には残っていた。だが、首相は実務面も考慮のうえ、最後は「伝統文化」の伊勢志摩を選んだ。
首相が発表で特に強調したのは伊勢神宮の存在だ。