「伊勢神宮は悠久の歴史を紡いできた。そしてたくさんの日本人が訪れる場所であり、日本の精神性に触れていただくには大変良い場所だ」
約20年に一度の式年遷宮など、世界的にも類例のない伝統を誇る伊勢神宮は、自然との共生という「日本の心」を象徴する存在だ。誘致に動いた三重県側も「他の宗教などを排除せず、全てを受け入れて共存する精神」や「世界平和へのメッセージ性がある」と訴えてきた。
こうした伊勢志摩のメッセージ性は、改めて平和への誓いを世界に発信する「戦後70年」の節目にも合致。国際秩序の維持と構築により積極的に関わっていこうという首相の外交方針とも符号する。
三重県は今年1月に立候補を表明。候補地の中では「最後発」で出遅れ感は否めなかったが、諸条件がかみあって開催地を勝ち取った。一方で首相はサミットに関連して開かれる外相会議などの閣僚会議を、落選した各候補地で開催することを検討すると表明。落選した候補地にも配慮をみせた。(千葉倫之/SANKEI EXPRESS)