首脳会談の開催が予定される賢島(かしこじま、志摩市)は、英虞(あご)湾に浮かぶ景勝地。本土とは2本の橋のみでしかアクセスできないため、交通規制や不審者の侵入阻止など、警備面で他の候補地よりメリットが大きい。近くには伊勢神宮(伊勢市)があり、日本の伝統文化を各国首脳に体感してもらうなど、外国要人をもてなす環境としてもふさわしいと判断した。
テロの未然阻止も重視した。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の殺害脅迫事件を踏まえ、政府は重要施設の警備やテロリストの入国を阻む水際対策を強化しており、サミット開催地の選定でも警備面を最重要視した。
サミットは、日本などの主要国が持ち回りで開催する。日本ではこれまで5回開かれ、1979、86、93年の計3回は東京で行われ、2000年は沖縄、08年は北海道だった。
安倍首相は5日夕、7、8両日にドイツ南部のエルマウで開かれる主要国首脳会議に出席するため、羽田空港を政府専用機で出発した。