日本・メコン地域諸国首脳会議に先立ち、集合写真に納まる(左から)カンボジアのフン・セン首相、ラオスのトンシン首相、安倍晋三(しんぞう)首相、ミャンマーのテイン・セイン大統領、タイのプラユット暫定首相、ベトナムのグエン・タン・ズン首相=2015年7月4日、東京都港区の迎賓館(代表撮影)【拡大】
安倍首相はインドのモディ首相と緊密で、中国の軍事的脅威の増大に懸念を共有。経済交流を拡充し安全保障協力を深化させるという政経連携を進めている。
安倍首相はベトナム、タイの両首相とも関係が良好で、外務省幹部は「各国間で友好関係の深化が期待できる」と語る。
米越を仲介
また、外務省は大々的なアピールを控えたが、首脳会議の共同文書には日米連携によるメコン地域への支援も盛り込まれた。背景には南シナ海で強圧的に進出する中国がある。
会議の参加国の一つ、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長は6日から米国を訪問する。ベトナム戦争後、ベトナムの最高指導者が米国を訪れるのは初めてだ。
ベトナムにとって圧倒的な軍事力を持つ中国との交渉や領海警備には、米国の後ろ盾が必要。一方、米政府は「アジア太平洋に重心を移すリバランス(再均衡)戦略で日米同盟をその基盤としている」(米国務省関係者)。
安倍首相がベトナムと米国の仲介役となり、米越関係を後押しすることで、東シナ海における対中牽制(けんせい)で両国の強い協力を得る狙いだ。(坂本一之、楠城泰介/SANKEI EXPRESS)