【アジアの目】爆弾テロ タイ経済に深刻な打撃 (2/3ページ)

2015.8.20 05:00

爆発が起きたエラワン廟付近(右下)。隣はグランドハイアットホテル。高架鉄道(BTS)のチットロム駅も近く日本人観光客も多い(AP)

爆発が起きたエラワン廟付近(右下)。隣はグランドハイアットホテル。高架鉄道(BTS)のチットロム駅も近く日本人観光客も多い(AP)【拡大】

 さらに経済面では企業の自由な活動が保証されることが重要だ。いまや経済規模がインドネシアに次ぐ東南アジア2位のタイだけに、もはや軍のように命令さえすれば成長するほど単純ではない。確かにプラユット内閣には経済の専門家もいるが、軍政という重しがあるなかでは民間企業の動きも鈍くなるのは避けられない。

 今年4~6月期のタイの国内総生産(GDP)成長率は2.8%と前期の3.0%から低下した。政府による公共投資は増えたが、民間消費の頭打ちに加え、民間投資は前年同期比マイナス3.4%と大きく減った。

 ◆軍政への不満拡大も

 民間消費の落ち込みは、就業者数の多くを占める農家の収入が大きく減ったことに原因がある。今年、タイ農村部は30年ぶりともいわれるほどの深刻な干魃(かんばつ)に襲われたためだ。この結果、タイの主要産業であるコメ生産が深刻な打撃を受けるのは確実だ。

 農村部はもともとタクシン支持派が多い。軍政がクーデター後、インラック前政権が導入したコメ買い取り制度の崩壊で生活苦に見舞われた農家に対する支援を行ったのも、タクシン支持派の増大を防ぐ狙いがある。干魃による農業収入が減少すれば、軍政に対する不満が拡大しかねない。

 こうしたなか、農業や内需の不振をカバーし、タイ経済を支えてきたのが年間2200万人を超える外国人観光客だ。14年5月のクーデターで落ち込んだものの、増加に転じていた最中だっただけに、今回の事件で外国人観光客が大幅に減るのは確実だ。

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