27日、アテネで、ギリシャ暫定政権の首相に就任したサヌ氏(左)とチプラス氏(ロイター)【拡大】
【ベルリン=宮下日出男】財政危機に陥るギリシャで28日、チプラス内閣総辞職に伴う暫定政権が発足した。パブロプロス大統領はこれを受け、国会(定数300)を解散し、9月20日に総選挙を行う大統領令に署名した。チプラス前首相は選挙の前倒しで欧州連合(EU)の新たな金融支援について審判を仰ぎ、政権基盤を強化する賭けに出たが、予断を許さない。
大統領は20日のチプラス氏の辞任後、第二党の中道右派、新民主主義党(ND)とチプラス氏の与党、急進左派連合(SYRIZA)を離脱して第三党となった新党「民衆統一」に相次ぎ組閣を要請したが、ともに失敗。27日に大統領の指名を受けたバシリキ・サヌ最高裁判所長官が暫定政権の首相に就任し、閣僚の就任宣誓も28日行われた。
チプラス前政権は財政緊縮策の破棄を公約に掲げて1月に誕生したが、財政破綻回避のため、厳しい増税や年金削減を支援の条件とすることでEUと合意。だが、公約撤回に反発したSYRIZA内の反緊縮強硬派が造反し、新党の民衆統一を結成。支援に関わる国会採決では野党の支持に頼らざるを得ない状態になり、チプラス氏は国民の信を問う手段に打って出た。