消費税率の10%への引き上げに合わせて財務省が検討している負担軽減策は、酒類を除く飲食料品について購入した消費者に税率2%相当額を後から還付する案だ。生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」とは形が違うだけに、軽減税率導入を強く主張してきた公明党の反発は必至だ。制度設計の面でも「痛税感」の緩和効果の薄さやマイナンバーの活用などで課題が浮かび上がる。
「いろいろ工夫をして知恵を絞った日本型軽減税率制度だ。おおむね評価する声だった」
野田毅自民党税制調査会長は8日の税調非公式幹部会後にこう述べ、財務省案を今後の検討の軸にする考えを示した。
案のポイントはまず、還付額に上限を設ける点だ。ほぼすべての飲食料品を対象にしても税収減を抑えられる。消費額が多い人への恩恵を少なくし、所得が少ない人ほど負担感が重くなる「逆進性」も緩和できる。事業者は複数の税率が混在する仕組みではインボイス(税額票)の発行で膨大な事務負担増が生じることを懸念したが、還付なら発行せずに済む。