企業業績が好転したことでリストラに伴う土地放出が激減し、デベロッパー(不動産開発会社)間の取得競争が激化したうえ、建築コストが依然として高水準にあるため、「平時には理解できないような取り引き」(デベロッパー担当者)につながっているのだという。
相続税対策としての小規模な土地の取り引きも活発で、ワンルームマンションの開発が積極的に進められている。主に投資を行っているのは、アベノミクスによる株高でもうけた個人投資家たちだ。
ただ、そうした開発ラッシュは都心部から離れ、利便性も悪い場所を中心に進んでいる。入居者が少なければ、地価の押し下げ要因につながる恐れもある。
都心部の需要を支える富裕層も株式市場が一段と不安定になれば、投資活動を控える可能性がある。首都圏の地価動向には不透明な要因が山積している。