ちなみに人工島の場合は領海は設定できない。王毅外相の発言は、これまでの岩だとする主張を転換し、中国政府が「沖ノ鳥島は人工島だ」との見解に変更する意図があるかは今のところ不明だ。
だが、その中国は沖ノ鳥島の戦略的重要性に誰よりも着目している。沖ノ鳥島は東京から約1700キロ、小笠原諸島の父島から約900キロ離れたわが国最南端の島で、東西約4・5キロ、南北約1・7キロ、周囲約11キロのサンゴ礁だ。
日本政府は沖ノ鳥島の周囲に海洋資源を独占できるEEZを設定しており、その面積は国土面積(約38万平方キロメートル)を上回る約40万平方キロメートルにもなる。漁業資源ばかりでなく、レアメタル(希少金属)などの存在が期待されている。
沖縄本島から1100キロ 軍事的戦略的な価値
ただ、中国が沖ノ鳥島を評価しているのは海洋資源の存在だけでない。むしろ、その軍事戦略的な価値に注目しているといっていい。中国は沖ノ鳥島周辺のEEZで海洋調査活動を続け、2010年4月には計10隻の中国海軍艦艇が沖ノ鳥島西方海域で軍事訓練を実施した。