米国向け輸出品では、タオル(関税9.1%)や陶磁器(0.7~28%)なども関税の撤廃対象だ。岐阜県の美濃焼や愛媛県の今治タオル、福井県鯖江市を一大産地とする眼鏡など、海外でも高く評価される伝統工芸品や地場産品にとっても輸出拡大の好機となるのは間違いない。
ほとんどの関税が撤廃される日本産農産品の海外展開も加速しそうだ。海外で人気の和牛は、米国向けの関税が15年で撤廃され、それまでは無関税の輸入枠が新設される。既にTPP域内での和牛の輸出額は2014年までの3年間で3.6倍に急増しており、関税撤廃でさらなる上積みは確実視される。ただ、牛肉を輸出するには、相手国の認定を受けた食肉処理場での処理が必要になる。国内の該当施設は10カ所にとどまり、輸出拡大に向けた環境整備は不可欠だ。輸出実績のない零細農家や中小企業向けの支援策も急務となる。TPP発効までに、こうした企業や農家の体質強化につながる対策を取れるかどうかが、TPPの効用を最大化するための鍵となりそうだ。(西村利也)