安倍晋三首相が法人実効税率の引き下げ幅の拡大に言及した背景には、法人税減税が企業の収益力を押し上げ、賃上げや設備投資の拡大を強く促し「経済の好循環」の流れを早期に確立させる狙いがある。
安倍首相が目標とする国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、政府・与党内には、現在32.11%台の実効税率を来年度にも20%台へ引き下げるよう求める声も強く、財源の確保より減税が優先される「先行減税」となる可能性もある。
安倍首相は、6日の講演で法人税の実効税率について「来年度は0.8%引き下げると決めているが、来月決定する税制改正大綱ではさらなる引き下げを実現する」と述べた。首相が法人税減税のさらなる下げを“公約”したのは、一段の減税で企業の意識を変える必要があると判断したためだ。
原材料価格の下落などを追い風に、国内の上場企業は軒並み高収益を上げている。にもかかわらず、あまり投資に回さず、「内部留保」を積み増す現状への問題意識が首相にはある。