12月米利上げの可能性が高まっている。利上げが決まって最も影響を受けるのは日銀だろう。ドル高・円安が進み、企業収益の増加が見込まれ、賃上げの可能性が確保できれば、現状の量的・質的金融緩和(QQE)政策を維持して様子を見ることができる。フリーハンドを確保した日銀は「見えない危機」が到来したときに対応する余裕ができたのではないか。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が4日、米下院金融サービス委員会で証言し「われわれの声明は、12月の利上げが十分にあり得ることを示している」と述べた。
さらに6日発表の10月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が27万1000人増となり、市場予想の18万人を大幅に上回り、市場心理は「12月利上げの公算」へと傾いた。
この先、円安が123円台で止まるのか、それとも125円台を上抜けるのかによって、世界経済や日本経済の様子はかなり違ってくるが、共通して言えることがある。