一方、世界経済には、目に見えないリスクがありそうだ。資源を中心にした商品価格の下落が足元で進み、大規模な商品の在庫を抱えている企業は、多大な評価損を抱えるリスクに直面している。コモディティー価格の変動を組み込んだデリバティブ商品は全世界に販売されており、その一部が破綻して世界のマーケットを動揺させるリスクは、依然として一定の割合で存在している。
米利上げは、そのコモディティー関連に潜んでいるリスクを顕在化させる。12月実施は、日本経済と日銀にプラスになると予想されるが、水面下で起きようとしている変化にも、十分に目を配るべきだろう。それがリーマン・ショックから得られた教訓の中の大きな1項目であるに違いない。
【プロフィル】田巻一彦
たまき・かずひこ ロイターニュースエディター 慶大卒。毎日新聞経済部を経てロイター副編集長、コラムニストからニュースエディター。55歳。東京都出身。