TPP参加12カ国による首脳会合に臨む安倍首相(手前左から2人目)ら=18日、マニラ(代表撮影・共同)【拡大】
【マニラ=西村利也】アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の首脳会合を開催したのは、アジア太平洋地域の貿易自由化や経済ルール作りの実現に向け、日米が主導するTPPの意義を強調する狙いがある。TPP参加に前向きな東南アジア各国の参加を呼び込み、貿易圏拡大への布石とするつもりだ。TPPに参加していない中国を牽制(けんせい)する意味合いも強い。
「TPP協定の大筋合意を受けて他のAPECメンバーの関心も高まっている。その輪を広げていくことはアジア太平洋地域の安定にも資するものである」
18日にマニラで開催したTPP首脳会合で、安倍晋三首相はTPP参加国を拡大していくことの重要性を強調した。
会合では他の参加国の首脳からも、「TPPへの新規加盟に向けた協力や話し合いを推進すべきだ」との進言もあり、TPPの貿易圏拡大に向けて連携していくことを確認。同日のTPP首脳声明では、「TPPを通してわれわれが世界で最も早く成長し、新しく魅力的なモデルを創造している」と明記、TPPが世界に先駆けた画期的な通商協定であることをアピールした。