訪日外国人旅行者を増やすため、受け入れ態勢拡充を検討する構想会議の初会合であいさつする安倍晋三首相。右隣は石井啓一国土交通相=11月9日、首相官邸【拡大】
日経は、個人宅で不定期に少人数の旅行者を泊める「ホームステイ型民泊については基本的に自由化を進めるべきだろう」と提案する。その考えには基本的に賛成だ。
だが、「借り手と貸し手がネット上で互いに評価し合うことで、粗悪な物件や部屋を汚すような借り手は自然に排除されるはずだ」という見方は、やはり楽観的すぎるだろう。自治体など公平な第三者の関与がなければ、普及は難しいのではなかろうか。
◆観光再生の切り札に
成長戦略の柱に観光立国を掲げる安倍晋三首相の大方針を受け、厚労省と観光庁は先月27日、有識者会議を立ち上げて、民泊の本格解禁に向けた具体的な議論をスタートさせた。
民泊の拡大には、ホテルや旅館など既存の宿泊施設からの抵抗もある。その調整も大きな課題だが、観光業再生の起爆剤となるのであれば、「ウイン・ウイン」の関係は可能だろう。「民泊の経済波及効果は、日本国内で年間2200億円」という民間の試算もある。
民泊を軌道に乗せるには、行政が一定の条件下でお墨付きを与えるなどして、貸し手と借り手の双方が安心して利用できる環境を整えることだ。それが、ひいては地域住民の不安解消にもつながる。
混乱を避けようと、ルール作りに慎重を期すのは理解できるが、その結果、制度普及のタイミングを失するようでは元も子もない。スピード感を持った取り組みが何より大切だ。