税収が増えること自体は財政の健全化を最優先する考える向きにとっては万々歳だ。しかし、民間の所得を政府が取り上げたまま、支出を通じて民間に資金を還元しない状態を続けると民間の需要を圧縮する。好景気で民間需要が旺盛で、インフレ率が上がる状態だと、財政支出を引き締めるのは理にかなっている。ところが、「20年デフレ」の日本にとって緊縮財政は不合理である。
25年度は金融の異次元緩和効果で景気が上昇軌道に乗り、円安と株高効果で企業収益は大きく増え、消費者心理も改善したのだが、26年度は消費税率8%への引き上げによって家計消費が押さえ込まれ、デフレ圧力が再燃した。にもかかわらず、財務省は民間向け支出をほとんど増やさず、税収を増やしてはほくそ笑むが、民間需要が落ち込んでも気にとめない。
26年度の実質経済成長率がマイナスに落ち込み、さらに27年度も4~6月期、7~9月期と2期連続のマイナス成長という、景気後退局面に入った元凶はまさに緊縮財政なのである。