安倍晋三首相は12月上旬、財政計画の順守に向けて診療報酬全体を8年ぶりに引き下げることを関係省庁に指示。2年に1度の診療報酬改定で増額を迫ってきた自民党厚生労働族も、歳出抑制の枠を前に迫力不足は否めなかった。
13年度から据え置いてきた長期金利の想定も4年ぶりに引き下げ、利払い費の約2800億円抑制にこぎつけた。
一方の歳入は、景気回復に伴う企業業績や雇用・所得環境の改善により、税収は安倍首相が政権奪還を果たした12年度から約15兆円も多い。新規国債発行額は過去6番目の減額幅だ。
これにより、政府が20年度の黒字化を目指す基礎的財政収支(PB)の赤字は15年度当初から2.6兆円改善し、10.8兆円に低下することになった。
政府は16年度の経済見通しについて、国内総生産(GDP)成長率を名目3.1%、実質1.7%と想定し、「今後も税収は右肩上がりで伸びる」(首相周辺)と期待する。とはいえ、内閣府の試算では名目3%以上、実質2%以上という高い経済成長が続いた場合でも20年度のPB赤字は6.2兆円残る。