【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(33) (2/3ページ)

2015.12.25 05:00

ヒンタダ郡内の農村で、稲の脱穀をする農業労働者たち。元農業灌漑大臣で、政権与党連邦団結発展党(USDP)の共同党首を務めるテーウー氏でさえ、彼らの支持が得られずに落選した(筆者撮影)

ヒンタダ郡内の農村で、稲の脱穀をする農業労働者たち。元農業灌漑大臣で、政権与党連邦団結発展党(USDP)の共同党首を務めるテーウー氏でさえ、彼らの支持が得られずに落選した(筆者撮影)【拡大】

 そして第4に、農民や農業に有害な事業を規制すると同時に、農業に起因する自然環境の劣化も抑制し、環境と農業の両立を持続させるとする。

 これら農業政策4本柱を実現する手段として24項目に及ぶ行動計画が示されている。その主な内容は、次の通りである。

 ・農民が不法に接収された農地を取り戻せるよう支援する。

 ・新農地開発を奨励、当該農地の移転を一定期間認めない。

 ・新規開拓農地が登録前に接収された場合は適切な賠償金を支払うか代替農地を提供する。

 ・農民でない者が農地を保有したり移転したりすることを制限する。

 ・外国からの資金や技術を積極的に導入する。

 ・小型農機が簡単に取得できるように資金、レンタル、技術などに関し、関係機関や企業との調整を行うとともに、地域に合った農機の生産を奨励する。

 ・小規模農に種子、農薬、肥料などを適切に供給する。

 ・有機肥料を自給できるようにする。

 ・国際競争力をつける。

 ・農産物の付加価値をつけるために食品加工業を増進する。

 ・地籍登録を正確にする。

 ・焼畑を規則正しく行う。

 ・森林を再生して緑化を進める。

 ・生物多様性に配慮した農業を推進する。

 ミャンマー農業の多面的課題に対応して多種多岐にわたっているが、現テインセイン政権との大きな違いはないようにも見える。だが、強烈な農民保護、非農民の福祉向上、農業と環境の両立の少なくとも3点で、現政権との相違が観取される。

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