ヒンタダ郡内の農村で、稲の脱穀をする農業労働者たち。元農業灌漑大臣で、政権与党連邦団結発展党(USDP)の共同党首を務めるテーウー氏でさえ、彼らの支持が得られずに落選した(筆者撮影)【拡大】
◆大発展の可能性?
第1点の主眼は、財閥や軍に取り上げられた農地を農民の手に取り戻し、農民の土地保有権を強化することにある。しかし、小規模農の過度な保護政策は、規模の経済を抑制し、国際競争力を弱めることにもなりかねない。また、工業化が未発達な段階で農業保護を強めると、税収は伸びずに歳出は増えることになり、今でも弱い財政基盤のさらなる悪化をもたらす可能性がある。
第2の土地を持たない農村居住者への配慮は、貧困対策の面からも重要である。ただし、農村人口の半分近くを占める彼らに、農業部門だけでは十分な雇用機会をもたらすことはできない。第2次・第3次産業の発展が不可欠である。
第3の環境に配慮した農業は、今や世界標準である。だが、ミャンマーのように生産力が低く、農産物輸出増を目指す国で、どこまで実現可能だろうか。輸出農産物の残留農薬や病害虫の混入などにまずは留意し、それが環境保全にも役立つ、という好循環を図ることが肝要である。
まだ原案の段階らしく総花的であり、諸政策が矛盾する点も多々散見される。政策の整合性を検討し、どこに重点を置いていくのかは、これから議論されることになるであろう。ただし、万一、上記項目がすべて実現したら、ミャンマーはこれまでどの国も経験したことのない、農業農村の大発展を遂げることになる。(随時掲載)