11月22日、マレーシア・クアラルンプールで行われた「ASEAN共同体」の発足を記念する式典で、記念写真に納まるASEAN10カ国の首脳(共同)【拡大】
東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国を「経済」「政治・安全保障」「社会・文化」の3分野で統合するASEAN共同体が31日、発足する。その柱が、ASEAN経済共同体(AEC)だ。6億人の単一市場の誕生で、地域経済の成長加速が期待される。一方、加盟国間には経済規模や発展度合いで大きな格差が横たわる。結束を試される状況が続く。
工程表8割実施済み
ASEAN事務局が11月に発表した、2015年末の達成を目指した経済統合に関する工程表の進捗(しんちょく)率は、目標の約8割が実施済みとなった。特に域内関税撤廃は進展し、先行6カ国では99%、後進4カ国も90%が撤廃済みで、18年までに原則撤廃を目指す。
もっともAECは、欧州連合(EU)型の経済統合は掲げていない。共通通貨や関税同盟などは工程表になく、目指すのは「単一市場と生産基地」で、「共同体」というより「巨大な自由経済圏」が実態だ。そのため、人の移動の自由化や熟練・技能人材の域内流動、資本移動では、自国産業保護の参入規制など多くの障壁が残る。