期待と不安、結束試されるASEAN共同体 中途半端な“統合”の背景 (3/3ページ)

2015.12.28 07:45

11月22日、マレーシア・クアラルンプールで行われた「ASEAN共同体」の発足を記念する式典で、記念写真に納まるASEAN10カ国の首脳(共同)

11月22日、マレーシア・クアラルンプールで行われた「ASEAN共同体」の発足を記念する式典で、記念写真に納まるASEAN10カ国の首脳(共同)【拡大】

 域内で最もインフラや法律が整備されたシンガポールで、10~14年に地域統括機能を設置した日系企業は36社と、05~09年の12社の3倍だった。調査にあたった日本貿易振興機構シンガポール事務所の小島英太郎氏は「AECへの期待があったため」とする一方、日系企業が集積するタイへの分散など慎重な企業行動実態も指摘する。

 半世紀前のASEANは、ベトナム戦争が泥沼化する中、反共産主義連合の色彩が濃かった。だが、冷戦終結後には、民主的な政治より経済発展を優先する「開発独裁」の加盟国を筆頭に経済重視が鮮明に。1999年にカンボジアが加盟して10カ国となり、政治的イデオロギーは希薄化した。

 ASEANをめぐっては、米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)などで囲い込み、分断への圧力も加わる。南シナ海問題への加盟国間の温度差もあり、共同体を取り巻く環境は厳しさを増している。(シンガポール 吉村英輝)

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