リード氏は、競争力が増す新会社が米国内での投資や雇用に貢献するとして、「米国にとって素晴らしい合併だ」と主張。ファイザー以外の米国企業でも海外企業との合併で所在地を米国外に移そうとする動きが相次いでいる。
一方、米財務省は2014年9月と15年11月、課税逃れ合併の抑止を狙い、米国企業が所在地を海外に移す際の要件を厳しくするなどの規制強化を発表し、いくつかの企業の合併計画を撤回に追い込んだ。しかしファイザーは財務省の新規制もクリアし、「踏み込み不足」との指摘もある。
オバマ政権が効果的な対策を打ち出せないのは、共和党との対立で法改正による抜本的な対応をとれていないためだ。このためクリントン氏は議会の協力を得た上で、海外企業と合併する企業への課税強化策の法制化などを目指すと選挙戦でアピールしている。
ただし課税逃れ合併の根本原因は世界最高水準にある米国の法人税率の高さにあるとの批判も多い。大統領選で共和党からの候補者指名を目指すジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は「米国をビジネスに適した税金の安い国にする」と強調し、連邦政府による法人税の税率を20%に引き下げるべきだとしている。