裁判長「前述した大法院の法理に、ただいま認定した事実および過程を総合して以下の通り判断する」
「被告人は、外信記者である。韓国国内の事件に関する記事を作成するに当たり、韓国内の記者と同程度の注意義務を傾けることはできないだろう。しかし、記者としての経歴、韓国での活動期間と職級、産経新聞社の規模などを総合すれば、記事の波及力がどのようなものかを十分に予想でき、記事を作成する際に、どの程度の注意を傾けなければならなかったかを十分に分かっていたと考えられる」
続いて、主な引用元の朝鮮日報のコラムが掲載されてから、加藤前支局長がコラムを書くまで約15日経過していることなどから、「本件記事を作成する前に、さまざまな関連資料を確認できる時間があったとみられる」との判断を示した。
さらに、コラムを書く参照としたとする韓国国会の議事録は「むしろ、噂の内容とは背反しているものの方が多い」と指摘。コラムの参考とした情報誌やインターネットの記事など「その他の資料も、噂の内容とは関連性が非常に薄い」と断じた。
裁判長「記者としての長い経歴のある被告人がそれらの資料を根拠に噂の内容が真実であると信じたとは考え難い」
「他の人々を通じても噂の内容を確認したと主張しているが、他の人々を通じて確認したのか自体が疑問だ。確認したとしても、『噂の内容』が事実かを確認したのではなく、『噂の存在の有無』が事実かを確認したに過ぎないと思われる」
そうして、こうまとめた。