世銀は報告のなかで、インドネシアの経済格差縮小に向けた対策について、長期的には教育と健康の水準向上によって質の高い仕事に就ける労働者を増やすこと、短期的には訓練によって労働者の技術水準を向上させて生産性の高い仕事を増やすことなどを挙げた。
同国の国家開発計画庁(バペナス)によると、同国の15年のジニ係数は0.408となり、前年からやや低下した。ただし、バペナスは、商品相場の下落などによって中・高所得層の収入が2割ほど減少したのが要因としており、貧困層の底上げに成功したわけではない。
政府は今年のジニ係数の目標値を0.39に定め、格差縮小に向けた努力を続ける姿勢を示している。成長の恩恵を広く享受できる社会を実現できるか、今年以降、政府の指導力が問われていきそうだ。(シンガポール支局)