インド独立記念日に演説するモディ首相=2015年8月、ニューデリー(AP)【拡大】
□ジェトロ・アジア経済研究所 地域研究センター 副主任研究員・太田仁志
■国内外の注目集める新政策 人々の目を引くキャッチコピー
2014年初頭。インド国民の間では当時の政権に対する不信感が高まっていた。携帯電話の周波数や石炭鉱区における事業者への割り当てに関する不正疑惑など、政治の腐敗と汚職に不満の声が渦巻く。景気の停滞感と前年下期(13年7~12月)の食料農産物インフレ率の上昇で政治不信に拍車がかかった。
そんな中、14年4月から行われた下院議会選挙で現与党連合の勝利を導いたナレンドラ・モディ氏が5月26日にインド首相に就任した。グジャラート州首相として製造業の発展に力を入れ、同州の経済成長率を10%以上に押し上げたモディ氏は、政権発足後、矢継ぎ早に新たな政策を発表する。モディ政権はインド経済のギアシフトを目指している。
◆わかりやすい構想
モディ政権は、国内外の注目を集める政策の立案が特徴的だ。14年8月、国を挙げて情報通信技術(ICT)を広める「デジタル・インディア」を発表する。ICTで行政手続きなどの効率を高める電子政府化をはじめ、全国民へのデジタルインフラの提供などを目指す。
翌9月には、インドを“世界の製造・輸出拠点”とする構想「メーク・イン・インディア」を掲げ、政府がモノづくりに力を入れることを強くアピールした。
15年7月には、主に若者の職業能力開発を目的とする政策を「スキル・インディア」として改めて打ち出した。22年までに4億人以上に対して職業訓練を実施することを掲げる。