日本でいち早くゲノム編集の技術を取り入れた堀田助教は「この技術によって、ヒトの細胞が持つ30億ものDNA配列から、たった1カ所を狙って切り取ったり書き換えたりできる」と説明。「とりわけCRISPR/Cas9は比較的簡単に使えるので、これまでにない革新的な技術といえる」と高く評価したうえで、「近い将来、発見者がノーベル賞に輝くのは間違いない」と話す。
ゲノム編集は、このほかに農業や畜産業にも応用できる。従来、膨大な時間と労力がかかっていた農作物や家畜の品種改良が狙い通りに短時間で可能になるといい、すでに研究レベルではアレルギー物質を含まないイネや肉の量が多い家畜などを生み出すことに成功している。
遺伝子組み換え技術に比べてDNAの改変が精密なので安全性も高いとされており、堀田助教は「こうした食品が店頭に並ぶ日が遠からず来るかもしれない」と話す。