「春は二度と来ない」「すでに退路なし」 中国政府系シンクタンクが異例の弱気 (2/4ページ)

 まず報告書では、最近の中国の貿易状況について、「振るわない状態が続いているだけでなく、ますます悪化しているとも言える」と指摘。最新の貿易統計を引用し、「品質向上とシェア拡大の痕跡はみられる」と一定の評価はしたものの、「不確かでとらえ所がなく、自分で自分を慰めている感がぬぐえない」と厳しく批判した。

 さらに「心配なのは、中国の製造業が直面しているのは、不景気という一時の落ち込みではなく、国内外の経済環境の変化がつくり出した新常態である」と警告した。

 深刻な内情

 報告書は、中国経済が直面している数々の課題も浮き彫りにした。

 労働コストと運営コストが上昇し続けているとし、「労働力の比較優位性は次第に弱まり、構造転換と高度化をせまる十字路に至って、方向転換のために速度を落とさざるを得ない。製造業は内憂外患の双方からの圧力のもと、ボトルネックに入り込んでいる」と分析。

「『前門の虎、後門の狼』の中間に深く入り込んだ」と表現