衆院本会議で所信表明する石原伸晃経済再生担当相=2日午後、国会(斎藤良雄撮影)【拡大】
石原伸晃経済再生担当相は2日の衆院本会議で示した経済に関する所信で、名目国内総生産(GDP)600兆円達成のため成長と景気刺激を重視する姿勢を打ち出した。アベノミクスの「司令塔」として甘利明前担当相の成長重視路線を継承し、自身の財政規律派と目される立場は封印した格好だ。ただ、中国経済の失速で世界経済は動揺し、国内景気回復の勢いも鈍い。課題は山積している。
「成長と分配の好循環を強固なものとする」。石原氏はこう述べ、デフレ脱却の決意を示した。
石原氏は6月をめどにまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」で「600兆円経済の実現に向けた全体像を示す」と表明。年3%の高い成長が必要なGDP目標の達成を掲げ、成長重視の姿勢を受け継ぐことを印象づけた。
また、「生産性革命」などを軸にした成長戦略の策定を進め、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は「早期発効に向けて取り組む」と強調。財政再建に関しては平成32年度の健全化目標を堅持し「達成に向けて取り組む」としたが、自民党税制調査会で副会長を務めるなど財政規律派としての主張は控える形となった。
今後、石原氏は経済財政諮問会議といった複数の政策会議を仕切り、骨太の方針や29年4月に予定される消費税再増税を見据えた経済対策の議論などを主導する。
ただ、足元の経済情勢は厳しい。今月15日に発表される昨年10~12月の実質GDPは節約志向などで個人消費が弱く、主要シンクタンクは2四半期ぶりのマイナス成長を予測する。
石原氏は「消費や中小企業を含めた投資が全国津々浦々で行われる環境を作る」と内需拡大への意欲を示した。
だが、経済の先行き不安から企業は賃上げや設備投資に慎重で、経済政策のかじ取りは難しい局面にある。