前日比559円安で取引を終えた日経平均株価を示すボード=3日午後、東京都中央区【拡大】
日銀のマイナス金利導入決定を好感して、いったん沈静化していた株安が、原油価格の急落を引き金に、再び東京市場を襲った。投資家心理が悪化し、日経平均株価の下げ幅は一時、前日比670円に拡大。日銀の電撃的な追加金融緩和の後も、原油価格の不安定な動きが株式相場を振り回す構図を浮き彫りにした。
「依然、原油価格の動向がマーケットを引っ張る状況が続いている」
大手証券の担当者はこう語った。きっかけは、ロシアと石油輸出国機構(OPEC)による協調減産への観測が後退し、ニューヨーク市場の原油先物相場が1バレル=30ドルの大台を再び割り込んだことだ。最近は原油価格と米国株式市場の連動性が高くなっており、2日のダウ工業株30種平均は大幅続落。こうした悪い流れが東京市場に波及し、平均株価の大幅下落を招いた。
投資家のリスク回避姿勢を反映し、東京外国為替市場では円高ドル安が進み、節目の1ドル=120円を割ったほか、長期金利も過去最低を更新した。円や日本国債などの安全資産に投資マネーを移す動きが表面化した。
日銀によるマイナス金利の導入決定は、金融市場に与えた「サプライズ(驚き)」が大きく、当初は株高・円安をもたらした。だが「原油安のような海外発のリスク要因に対し、日銀の金融政策はなかなか及ばない」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)というのも事実だ。今回の原油価格急落で、投資家は再び警戒ムードを強めた形だ。
中国経済をめぐっても、人民元相場は落ち着きをみせる一方で、上海株式市場は下落傾向にあり、予断を許さない。原油安と中国経済の減速という2つのリスクをにらみ、乱高下する相場展開が続く恐れがある。
(森田晶宏)