国債市場で長期金利がマイナスになったのは、日銀のマイナス金利政策で利回りが低下しやすくなっていたところに、欧米で金融不安が再燃し、安全資産とされる日本国債に人気が集中したためだ。行き場を失ったお金が、マイナス利回りにもかかわらず、一段の価格上昇を予想して国債に向かう「国債バブル」の様相を示した。
利回りのマイナスは、国債を満期まで保有した場合に手に入るお金(償還価格)が購入価格に届かず、買い手が損をする「異常事態」だ。
9日の国債市場で、新発10年債は利回りがマイナスになってもそれほど売られなかった。日銀のマイナス金利政策が16日に始まれば、世の中の金利水準はさらに低下(価格は上昇)するとの見方が広がっており、「マイナス利回りでも高値で売却できる」ともくろむ投資家が多かったためだ。
「市場の金利水準が下がることで企業や個人が借り入れを増やし、投資や消費が拡大する」