海外経済の失速や市場の混乱は企業業績を下押しし、16年春闘の賃上げ交渉や設備投資に悪影響を及ぼしかねない。出光興産の鷺島敏明執行役員は「原油安で(原油採掘など)上流事業への投資は抑制的にならざるをえない」と指摘。JUKIの清原晃社長も「企業の設備投資意欲が萎えるのが心配」と懸念している。
政府は「景気が緩やかな回復に向かう」シナリオを維持しているが、市場からは、一層の景気支援策を求める声も出始めている。
大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは、先進国や中国が同時に財政政策を打ち出す必要性を指摘。「日本は、議長を務める5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)で景気対策を呼びかけるべきだ」として、世界経済のてこ入れにリーダーシップを発揮するよう主張している。