10日、米下院金融委員会の公聴会で金融政策について証言するFRBのイエレン議長=ワシントン(AP)【拡大】
あいまいな答弁には、「市場に支配されず、金融政策の自由度を保ちたい」というイエレン氏の苦渋がにじむ。にもかかわらず、市場の大半は「もう年内の利上げはない」と織り込み始めた。G20の場でも、資金流出にあえぐ議長国の中国や他の新興国から利上げペースの鈍化を求める意見が出そうだ。
FRBが、市場や新興国の“期待”を無視して追加利上げに踏み切れば、投資家心理に水を差してしまう。一方、当面の利上げを先送りしても、中長期的には「世界の景気は、米国が利上げを断念するほど落ち込んだ」と受け取られ、安全資産の円を買ってドルを売る動きが強まる恐れも出てくる。
国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史総裁は「FRBのメッセージは今ひとつ明確でない。イエレン氏はG20の場で説明する必要がある」と指摘した。