【ワシントン=小雲規生】米大統領選の民主党候補指名を争っているクリントン前国務長官は23日、北東部メーン州の地方紙への寄稿で、中国や日本が輸出拡大のために為替操作を行っていると批判した。4日に日米など12カ国が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についても反対の姿勢を改めて示し、米国の製造業に配慮する姿勢を強く打ち出した。
クリントン氏は寄稿で、「米国は為替操作を取り締まる必要がある」と主張。「中国や日本やその他のアジアの国々は通貨の価値を下げ、何年間にもわたって輸出品の価格を人為的に安くしている」とした。
また、米国が結ぶ自由貿易協定は雇用創出、賃金引き上げ、安全保障の強化につながらなければならないと主張。「TPPはこの条件を満たさなかったので反対した」と強調した。
大統領選の候補者指名争いでは、民主党のサンダース上院議員も自由貿易が雇用の海外流出につながったとの観点からTPPに反対。共和党では不動産王のトランプ氏が中国や日本が為替操作を行っていると批判し、TPPについても「ひどい合意だ」と酷評している。