強引な緩和、農家に不信感 出し渋り拍車も 特区改正法案、効果に疑問 (2/2ページ)

2016.3.3 06:36

兵庫県養父市は企業の農業参入を呼び込むことで、耕作放棄地の再生や街の活性化を図っている(同市提供)

兵庫県養父市は企業の農業参入を呼び込むことで、耕作放棄地の再生や街の活性化を図っている(同市提供)【拡大】

 また、農業現場では、企業が所有した農地が不採算時の耕作放棄や産業廃棄物置き場などへの転用につながるとの不安が広がっている。冒頭の森山氏の発言は、こうした実態をくんだ上でのものだ。

 一方、規制緩和を主導する官邸側は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効を見据え、企業を農業に参入しやすくすることで農業の競争力を高めたい考えだ。現状では、企業が農業経営を拡大しようとしても、貸し手の都合で農地の返却を求められれば、築いた経営基盤を一気に失いかねない。それが、ビニールハウス建設などの大きな投資に踏み込めない理由にもなっているとみる。

 ただ、強引に企業の農地取得を認可しようとする官邸に対し、農水省は怒り心頭だ。4月施行の改正農地法では、農業生産法人への企業の出資割合を25%以下から50%未満に引き上げる。農水省としては企業の農業参入を促す規制緩和を実施したばかりとの思いがある。ある農水省幹部は「企業の農地所有は、改正農地法施行後の経過分析を踏まえるべきだ」と強調。「強引な規制緩和は地域を困惑させ、企業と農家の信頼を壊しかねない」と懸念を強めている。(西村利也)

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