農林水産省によると、現時点で安全基準を上回る放射性物質が検出されるのは、ごく一部の市町村のシイタケや野生の獣肉など数品目に限られるという。それでも各国がかたくなに規制を解除する気配はない。その理由について、農水省は「汚染水問題の報道などに日本近隣国ほど敏感に反応している」と指摘。「規制を維持した方がリスクがないと判断する傾向にある」と分析する。
一方、欧州連合(EU)が一部規制を緩和しており、政府はこうした事例も各国への説明で利用する方針だ。
また、規制対象となっている生鮮品や水産物は対象外の加工品に転換して輸出する方法も模索。訪日観光客が増えていることを踏まえ、観光ツアーを通して被災地の農林水産物を食べてもらう機会を増やすなどして、その安全性を認識させたい考えだ。