■鉄鋼など“在庫処分”で石油備蓄拡大
習近平国家主席がサウジアラビア、エジプト、イランへの歴訪を終えた1月下旬、中国紙にこんな見出しが躍った。
〈中国の石油備蓄は「黄金時代」に入った〉
原油安の今こそ中国が石油備蓄を拡大するチャンスであり、習氏の中東歴訪がその道筋を確実なものにした、とのニュアンスだ。
中国は内陸や沿岸に油田を持つ産油国ながら、経済成長に伴う旺盛な国内需要で1993年に純輸入国に転じ、今や米国をも上回る世界最大の輸入国だ。2015年は前年より8.8%増えて3億3500万トンとなったが、原油安で前年より輸入額は41%も安く済んだ。輸入依存度は昨年初めて60%を超えた。
ニュースサイトの中国経済網によると、中国の石油備蓄量は50日分に満たないが、今の安値を生かせば2年以内に「安全水域」の90日分に到達できる。サウジとイランからだけで輸入原油の4分の1を賄えるとされ、習氏の中東訪問も「国家による戦略的な石油備蓄」の狙いが明らかだ。