ただ、こうした政策の予算化や税制措置には時間がかかり、市場の急激な変動に即応できない。原油安局面の現在だけでなく、市場が今後反転した際にも、原油の安定調達につながる施策を並行して進める必要がある。
◆調達先を多角化
3月上旬、米テキサス州の南東部に位置するヒューストン港。ポンプの低い音とともに、褐色の原油がパイプを通じて船に積み込まれた。原油価格の指標としても知られる米国産の軽質原油(WTI)だ。コスモ石油は日本勢で初めて、WTIの輸入に踏み切った。
米国が原油輸出を40年ぶりに解禁したことを受け、コスモ石油は30万バレルを調達する。南アフリカの喜望峰経由で約50日かけ、5月にはコスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)と四日市製油所(三重県四日市市)に到着する予定だという。
足元の原油価格は1バレル=38ドル前後と依然、安値水準にある。ただ、中東産油国では対立や紛争などの地政学的リスクから「いつ原油価格が跳ね上がってもおかしくない」(元売り大手)とされる。
一方、米国のシェールオイルは、技術革新などにより生産コストが1バレル=30ドル以下の油田も出始めた。コスモ石油幹部は「調達先を増やし、将来のリスクに対応する」と話す。
産油国との多角的な関係をいかに構築するか。
原油価格が低迷する今こそ、日本の資源政策のあり方が問われる。