16年度予算成立 景気最優先、遠のく財政健全化 過去最大96兆7218億円 (3/3ページ)

2016.3.30 06:36

 政府はこれらを前倒しし重点的に執行する考え。安倍首相は29日の記者会見で、「最大の景気対策である16年度予算の実を上げるには早期に執行することが重要だ」と強調。公共事業を中心に秋までに執行を集中させるとみられる。ただ、それ以降は執行案件が減るため、政府は総額5兆円超の16年度補正予算案を編成し、切れ目なく景気刺激につなげる。麻生太郎財務相は同日の会見で「景気下振れリスクに対応していく」と編成の可能性をにおわせた。

 しかし、矢継ぎ早の経済対策で歳出が膨張することで財政健全化への取り組みは遅れそうだ。日本の財政は深刻な状況にあり、国・地方の借金は1000兆円超と、国内総生産(GDP)の2倍の水準だ。政府は20年度にPB黒字化を目指すが、内閣府の試算では、名目3%以上、実質2%以上の高成長でも6.5兆円の赤字が残る。

 消費税増税が先送りになれば、予定していた税収がなくなり、財政状況はさらに厳しくなる。歳出拡大にあたっては、徹底した効果の検証も欠かせない。(中村智隆)

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