政府、景気底上げへ前倒し執行 予算の8割を9月までに契約、12兆円の事業で

2016.4.5 09:36

閣議後、記者会見する麻生財務相=5日午前、国会

閣議後、記者会見する麻生財務相=5日午前、国会【拡大】

 政府は5日、停滞する景気を底上げするため、2016年度予算などに盛り込んだ事業12兆1千億円の執行を前倒しし、9月末までに8割程度を契約する目標を発表した。目標の対象事業ではないが、15年度補正予算に盛り込んだ低所得の年金受給者に3万円を配る臨時給付金も支給を急ぐ。

 前倒しする12兆1千億円の内訳は、一般会計に計上した道路や港湾、治水、農業農村整備などの公共事業、学校などの施設整備事業が計7兆7千億円に上る。

 特別会計に計上した東日本大震災からの復興事業や空港整備事業が計2兆2千億円、高速道路会社や都市再生機構(UR)が実施する整備事業など計2兆2千億円も対象とする。

 予算執行を前倒しすることで16年度下半期の支出が減るため、政府は16年度補正予算を編成して支出を補うことも検討する。

 前倒しを巡っては、安倍晋三首相が16年度予算成立を受けた3月29日の記者会見で「予算の実を挙げるため早期執行が不可欠だ」と表明していた。

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