東京市場は株安円高基調が続いている=6日午前、東京都港区の外為どっとコム【拡大】
日本株相場を左右する外国人投資家の日本株離れも進む。2015年度の外国人投資家の売越額は3月25日までで約5兆円に達し、年度としてはリーマン・ショックがあった08年度以来の売り越しに転じるのが確実だ。世界最大の資産運用会社の米ブラックロックは3月、日銀のマイナス金利政策による市場や金融機関への影響や円高が日本の輸出産業に与える影響などを指摘、日本株の見通しを「強気」から「中立」に引き下げた。
◆重大事態当たらず
平均株価は、15年度末にあたる3月31日の終値が14年度末の終値を2448円32銭(約13%)下回り、年度末としては5年ぶりに下落した。今回の7営業日続落で、新年度の日本株相場は早くも壁にぶつかった。
消費税増税をめぐる安倍首相の判断にも影響する可能性がある。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「(最近の株価下落が)増税再延期の一つの材料になりうる」と指摘。ただ、「(安倍首相が再延期の条件としてこれまで示していた)『リーマン・ショックや大震災のような重大な事態』という規模ではない」とも付け加えた。
当面の日本株相場の見通しについて、岡三証券の大場敬史シニアストラテジストは「外国人投資家の売りと、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や夏の参院選を見据えた政策期待の下支えで、綱引きになるだろう」と指摘した。