政府が介入に慎重なのには訳がある。2月に中国・上海で開かれたG20会合では通貨安定に向けた国際協調策が焦点に浮上。来月には、世界経済情勢が最大のテーマとなる伊勢志摩サミットも控えており、米国などの批判を受けかねない円売り介入を打ち出しにくくなっているわけだ。
だが、円高ドル安の流れが今後も続けば、輸出企業を中心に業績の下方修正は避けられない。景気への影響を懸念する政府・日銀は、相場の動きが急激であれば、為替介入や追加緩和に踏み切る可能性もある。
ただ、円高是正を狙った政策対応の是非については「国際的な理解が得られるほどの円高ではない」(市場関係者)との指摘も根強い。政府・日銀はサミットを前に難しいかじ取りを迫られている。(今井裕治)