安倍首相、GDP600兆円に向け「データの利活用を」 ビッグデータや人工知能普及へ制度整備

2016.4.12 21:52

未来投資に向けた官民対話であいさつする安倍晋三首相(右)=12日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)

未来投資に向けた官民対話であいさつする安倍晋三首相(右)=12日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】

 政府が12日に開いた「官民対話」の最終会合では、安倍晋三政権が掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円達成へ向けた技術革新が議題となった。国の成長力を左右するのは「労働力人口」「資本」「生産性」の3本柱だが、少子高齢化で労働人口は減り、企業の設備投資も力強さを欠く。残る生産性の強化には技術革新が不可欠で、政府は“政策総動員”で臨む方針だ。

 政府は今回の会合で、改めてIT政策を強力に推進する方針を確認した。

 安倍首相は、国際競争に勝つため「日本が強みを持つ分野でのデータ利活用がカギを握る」と言及。膨大な電子情報を集めるビッグデータや人工知能普及に向けた制度整備を指示した。

 加えて今回、技術革新の拠点として「大学」に注目。安倍首相は「日本の大学は生まれ変わり、産学連携を強化する」と指摘。大学への資金支援を手厚くする方針を確認した。政府、起業家などと連携したベンチャー輩出の仕組み作りも進めていく方針だ。

 政府が技術革新を重視するのは、成長力の強化に向けて生産性向上の重要性が増しているからだ。

 成長力を支える3要素のうち、労働力人口は平成27年が6598万人だったが、内閣府の予測によると、最悪の場合、42年には5683万人まで減る。設備投資は経団連が3年で10兆円程度増やす方針を示しているが、円高、株安への不安で「増勢が鈍っている」(市場関係者)。

 ただ、官民対話で打ち出された技術革新策に関し、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主任研究員は「政府は枠組みを示したにすぎず、民間が実際に意欲を持つかは別問題」と懸念。「政府は民間活力を補うため、海外人材の活用拡大なども真剣に考える必要がある」としている。(山口暢彦)

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